【第10回】 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)がお隠れになった場所~伊弉諾神宮(2026/2/13)

古事記に登場する「神社・史跡を回る旅」の記念すべき第10回では、淡路島にある伊弉諾神宮です。
当神宮は淡路島観光の公式HPによると「『古事記』・『日本書紀』に記載がある中では最も古い神社で、淡路国一宮として古代から全国の掌敬を集めています」とあり、昭和29年には「神宮」號が宣下された由緒正しい神社です。

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行程

神社は公共交通機関で行こうとすると結構不便なケースがありますが、今回は電車で神戸の三宮まで行き、そこから神姫バスの高速バスに乗ると1時間半弱で伊弉諾神宮前に到着と、乗り換えが少なくバス停からの距離も近いため、日帰りで気軽に行くことができました。

(9時35分)神姫バス 神戸三宮BT(バスターミナル)発 → (10時45分)伊弉神宮前着→ ( 10時46分~)伊弉諾神宮参拝 → (11時10分)御朱印を頂く → (11時30分)「cafe & restaurant izana」でランチ → (12時28分)神姫バス 伊弉諾神宮前バス停発 → (13時46分)神戸三宮BT(バスターミナル)着

古事記・日本書紀との関連

古事記において、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと)は「国生み」により8つの島を生みますが、伊弉諾神宮が所在する淡路島は最初に生まれた島です。以下の古事記の文中に出て来る「淡道之穂狭別島(あわじのほさけわけのしま)」が淡路島を指します。ちなみに2番目に生まれた伊予之二名島(いよのふたなのしま)は四国です。(その後は、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州と続きます)

古事記~【上つ巻】伊耶那岐命と伊耶那美命~国生み
今度は伊耶那岐命が、先に「ああ、愛すべき乙女よ」と言い、後から伊耶那美命が「ああ、いとおしい若者よ」と言った。このように言い終わって結婚なさって、生んだ子が淡道之穂狭別島、次に伊予之二名島をお生みになった。
(引用文献)中村 啓信. 「新版 古事記 現代語訳付き」 (角川ソフィア文庫)

また、古事記によると、二人は「国生み」に続いて、数多くの神様を誕生させますが、妻の伊耶那美命と黄泉の国で別れた伊耶那岐命は、最後に生まれた三貴子と呼ばれる、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみのみこと)、湏佐之男命(すさのおのみこと)の三人の子に各々天上界、夜の世界、海原を治めるように委任します。
ところが湏佐之男命だけ従わないため、伊耶那岐大神は怒って追放し、その後お隠れになり、自らは「淡海の多賀に鎮座」されます。以下の角川ソフィア文庫の古事記抜粋の現代語訳では「近江の多賀大社に鎮座」と訳していますが、注釈に「淡路島という説もある」と記載されており、今回参拝した伊弉諾神宮は、淡路島説によります。

古事記~【上つ巻】神生みと伊耶那美神の神避り [三貴子の分治]
伊耶那岐大神は、湏佐之男命に「どんなわけがあって、おまえは委任した国を治めないで泣きわめいているのか」とおっしゃった。それに答えて湏佐之男命は、「私はここを去って亡き母の国の根之堅州国に行きたいと思い、それで泣いています」と申した。これに伊耶那岐大神はたいそう怒って、「それなら、おまえはもうこの国に住むな」とおっしゃって、湏佐之男命を追放なさった。その伊耶那岐大神は、近江の多賀大社に鎮座していらっしゃる
(参考文献)中村 啓信. 「新版 古事記 現代語訳付き」 (角川ソフィア文庫)

「近江(現在の滋賀県)の多賀大社」にも以前参拝しましたが、こちらも素晴らしい社でした。

続いて日本書紀の記述も紹介します。日本書紀では国生み、神生みという使命を終えた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は、幽宮(かくれみや、かくりのみや)を淡路の国につくってお隠れになったと記されています。そして御朱印をお願いした際に頂いた「伊弉諾神宮略誌」と有料パンフレット「幽宮」によると、伊弉諾神宮はその宮殿跡の地に神陵(みささぎ)を築いたという神歴を起源とする最古の神宮になります。

日本書紀~【神代(上)第六段】アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)
是の後に、伊弉諾尊、神功(かむこと)既に畢(を)えたまひて、霊運当遷(あつしれ)たまふ。是を以て、幽宮(かくれみや)を淡路の洲(くに)に構(つく)りて、寂然(しずか)に長く隠れたましき
(そののち、伊弉諾尊は神としての使命をすべて終え、この世を去ることとなった。そこで、幽(かく)れの宮を淡路の国につくり、そこに静かに永くお隠れになった
(参考文献~訓み下し文)坂本 太郎, 家永 三郎, 井上 光貞, 大野 晋, 日本書紀 (岩波文庫)
(参考文献~現代文)寺田 惠子. 日本書紀 全現代語訳+解説 <1> 神代 ー 世界の始まり ー (グッドブックス)

御祭神

主祭神:伊弉諾大神(いざなぎのおほかみ)
配祭神:伊弉冉大神いざなみのおほかみ)

当神宮は上述の通り伊弉諾尊がお隠れになった場所ですので、祭神は伊弉諾尊になりますが、当神社の公式HPには伊弉諾大神と表記されていますので、こちらに合わせて記載しました。
配祭神は妻の伊弉冉大神となります。伊弉諾大神と伊弉冉大神は黄泉平坂(よもつひらざか)で永遠の別れをしたはずですが、共に大切な神様として一緒にお祀りしていることが多いようです。上述の多賀大社でもこの二柱の神様が御祭神になっています。

参拝の記録

伊弉諾神宮までの移動

三ノ宮駅を降りて、神姫バス神戸三宮BTから、高速バスの高田屋嘉兵衛公園行に乗りました。交通系ICカードがあれば、事前に切符を購入する必要はありません。9時35分発に乗車しましたが、平日のせいか空いていました。

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