【第9回】 日本最古の縁結びをした白兎を祀る~白兎神社(2025/11/30)

古事記に登場する神社・史跡を回る旅の第9回は、日本海を見渡す鳥取県の白兎神社です。
当神社は公式HPによると『日本最古の書物「古事記」の一節である神話「因幡の白兎」に登場する白兎神が祀られる事から日本医療発祥の地、また大国主命と八上姫との縁を取りもたれたことから日本最古の恋物語の地として知られる、由緒明らかな神社』とのことです。

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行程

鳥取までは特急の「スーパーはくと」で行きました。姫路駅の手前で人身事故のため1時間半も電車が止まり、当初予定していたスケジュールよりかなり後倒しになりましたが、出発が朝早くだったためなんとか日帰りできました。
ちなみに今回乗車した特急「スーパーはくと」の名前が気になって調べたところ、「因幡の白兎」にちなんでつけたことがわかりました。

(12時) 鳥取駅着 → (12時7分~)鳥取駅構内の魚鮮水産で昼食→ (12時55分)日の丸バス 鹿野営業所向けに乗車→ (13時38分) 白兎神社前に到着→ ( 13時39分~)白兎神社参拝 → (14時00分)御朱印を頂く → (14時20分)「道の駅 神話の里 白うさぎ」で休憩 → (15時34分)日の丸バス 白兎神社前バス停発 → (16時19分)鳥取駅着

古事記との関連

白兎神社の主神は神社の名称になっている白兎神(ハクトカミ または ハクトシン)です。この神様は冒頭でも述べた通り、「古事記」の神話「因幡の白兎」に登場します。
以下は、大国主神(おおくにぬしのみこと)が、稲羽(因幡)の八上比売(やかみひめ)に求婚に行く大勢の兄弟の神々のお供をした際に、途中で白兎に会う場面です。
泣いている裸の兎にひどい仕打ちをした兄弟の神様とは異なり、大国主神は親切なアドバイスをして、そのお陰で兎は元の体に戻ることができました。その兎が古事記の時代には兎神と言われるようになったとのこと。
白兎神社の神徳が病気平癒である由縁は、大国主神が兎のケガを治したことによるわけですね。

【上つ巻】大国主神~兎とワニ
こうして気多(けた)の岬に着いた時に、毛を毟られた裸の兎が臥せっていた。そこで大勢の神々がその兎に「おまえがすべきことは、この海水を浴び、風を吹くのに当たって、高い山の尾根で臥せっていなさい」と言った。そこでその兎は大勢の神の通りにすると、海水が乾くにつれて、その皮膚が全身風に吹き裂かれた。その痛み苦しみに泣き伏しているところへ、一番遅れてやって来た大穴牟遅神大国主神となる前の名)が、その兎を見て「どうしてそんな姿でおまえは泣き伏しているのか」とお聞きになった。~中略~
そこで大穴牟遅神はその兎に教えて、「今、すぐここの河口に行き、真水でお前の体を洗って、その河口の蒲(がま)の花を摘み敷き散らして、その上でごろごろころがれば、おまえの体はもとの膚のように、必ず治る」とおっしゃった。そこで教えのようにすると、兎の体は元通りになった。これが稲羽の素兎(しろうさぎ)である。今では兎神といっている。
(引用文献)中村 啓信. 「新版 古事記 現代語訳付き」 (角川ソフィア文庫)

続いて古事記では兎が自分を助けてくれた大国主神が八上比売を獲得するであろうことを予言し、それが見事に的中します。白兎神社のもう一つの神徳の「縁結び」はこちらのエピソードに由来するわけです。

【上つ巻】大国主神~兎とワニ
その兎が大穴牟遅神に、「あの大勢の神は、きっと八上比売を得ることはできません。袋を背負っていてもあなた様が獲得なさいます」と申した。
そのとおり、八上比売は大勢の神たちの求婚に答えて、「私はあなた方の求婚のお言葉は受けません。大穴牟遅神と結婚します」と言った。
(引用文献)中村 啓信. 「新版 古事記 現代語訳付き」 (角川ソフィア文庫)

御祭神

主神:白兎神(ハクトカミ または ハクトシン)
合祀:保食神(ウケモチノカミ)、豊玉比売(豊玉姫命)(トヨタマヒメ)

当神社の主神は今までご説明の白兎神です。神社の境内に入ると、至る所に可愛い兎の像が並んでおり楽しめます。
合祀されているのは、保食神(うけもちのかみ)、豊玉姫命(とよたまひめ)という二柱の神様です。
まず、保食神は食物を司る神であり、「日本書紀」に登場します。天照大神の弟の月夜見尊(つくよみのみこと)に殺されてしまいますが、その死骸から稲、麦、大豆などの農産物や牛馬といった、地上の人の食べ物を生み出したありがたい神様です。
一方、豊玉姫命は古事記や日本書紀の「山幸彦と海幸彦」の神話に登場する海の女神です。豊玉姫命は火袁理命(ほおりのみこと)と結婚して、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひたかひこなぎさたけうかやふきあえずのみこと)を産みますが、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命が豊玉姫命の妹の玉依毘売命(たまよりびめ)と結婚して産まれたのが初代天皇の神武天皇ですので、非常に大切な神様ということになります。

参拝の記録

白兎神社までの移動

冒頭で記した通り、予定より1時間半ほど遅れて昼の12時ぐらいに鳥取駅に到着しましたが、白兎神社まで行くバスの出発が12時55分で結構時間があったため、地元のお店でランチを取ることにしました。入ったのは鳥取駅の中にある「魚鮮水産」というお店です。鳥取駅北口から出て右側に廻るとあります。

地元の魚が美味しいだろうと考え、メニューの中から「地魚海鮮丼」を選びました。

ドンブリに色々な種類の刺身が乗っていました。最初に卵焼きを食べたところ解凍して間もないのか冷たくて、これは失敗したかなと思いましたが、刺身は鮮度抜群でとても美味しく頂きました。

昼食後に鳥取駅北口のバス停に向かい、4番乗り場から白兎海岸線の鹿野営業所行に乗りました。

白兎神社参拝

約40分ほどで目的の「白兎神社前」に到着しました。目の前に鳥居が現れました。

白兎神社の社叢(しゃそう)は、日本海岸地方の原始林景を今に残している貴重なもので、昭和12年に国天然記念物に指定されたそうです。社叢の説明の下に早速、兎がお出迎えです。この後至る所に登場します。

鳥居をくぐって真っすぐ行くと階段を上がりますが、その左右の小さな石柱にも様々な方向を向いた兎が乗っています。

アップで移すとこんな感じです。

鳥取の砂から作った、「因幡の白うさぎ」の砂像がありました。大国主神と八上比売のカップルと白うさぎが描かれています。

二つ目の鳥居が見えて来ました。国天然記念物に指定されたという左右の社叢(しゃそう)が見事です。

鳥居を過ぎると手水舎がありました。こちらの正面にも兎がいます。手を出すと自動で「因幡の白兎の歌」が流れますので、参拝した方は試してください。

続いて拝殿でお参りをしました。出雲の神社と同様に、しめ縄が立派です。できれば参拝者がいないところを撮影したかったのですが、日曜日だったせいか、参拝者が非常に多くてそのチャンスはありませんでした。

後ろから回り込むと本殿の様子もよくわかります。

本殿を支える土台石のうち6個に菊の紋章が彫刻されており、「菊座石」と呼ばれています。
最初はどこにあるかわからなかったのですが、説明の看板の後ろに並んでいる名前が彫られている石柱の間から中を覗くと、菊座石を確認することができました。

拝殿・本殿を時計回りに一周すると、「身洗池:ミタラシイケ」が眼下に見えました。
こちらは白兎が体を洗ったとされる池で、天・豪雨の時でも水位の増減がないため「不増不減の池」とも呼ばれるそうです。

御朱印

参拝終了後に御朱印を頂くために社務所に行きましたが、日曜日のせいか行列になっていました。

順番が来て御朱印帳をお渡しすると、目の前でじっくり時間をかけて書いて頂きましたが、筆の線が伸びやかで良いと思いました。「500円~」からお気持ちでとのことでしたので、少しだけ上乗せしてお渡ししました。

参拝が終わって階段の上から撮影しました。海が目の前に広がっており、すばらしい景色でした。

白兎海岸と道の駅

参拝終了後に、歩道橋を渡って海辺に行くと、白兎海岸に着きました。

砂浜が広がっています。こんな寒い時期でもサーフィンを楽しんでいる人がたくさんいました。

海岸沿いから歩道橋を渡って戻ると、右手に「道の駅 神話の里 白うさぎ」があります。まだバスまで1時間ほど時間がありましたので、こちらで休憩することにしました。

中に入ると沢山のお土産が売っていましたが、まずは「すなば珈琲」という鳥取の砂丘を思わせる名前のお店でコーヒーを頂くことにしました。

頂いたのは勿論、砂焼き珈琲です。鳥取砂丘の砂で焙煎したから「砂焼き」なんですね!

窓際の席に座って、海を見ながらゆっくりと過ごしました。

以上で白兎神社の参拝の記録は終了です。
決して大きな神社ではありませんが、日本最古の縁結びをした兎の神様を祀る神社だけあって、小ぎれいで様々な兎の像も可愛らしく、人気があるのがよく理解できる神社でした。
個人的には海に近いというロケーションが、淤岐之島(おきのしま)から気多之前(けたのさき)までやって来た「因幡の兎」の場面を思い起こさせてくれてよかったです。

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